マニャガハでキャンプ

青い空、白い雲、サンサンと降り注ぐ太陽、そして、コバルトブルーに透き通った海。6月、サイパンの初夏。風はあるけど、良く晴れていました。 一昨日のインターネットで見た衛星写真では、サイパン上空に大きな雲がべったり張り付いていましたが、いつのまにかどこかへ行っちゃったようです。クラブハウスから見たマニャガハ島 これからご案内するところはマニャガハ島。そう、マリンスポーツが盛んなサイパンの中でも、とりわけ盛ん、というよりも観光客にとってマリンスポーツがなくては何のためにあるのか分からないような小さな島。その美しい小さな島で、我々だけのキャンプを張ろうというのです。どうやったのかは分かりませんが、カシラ独自のチャンネルで、キャンプの許可は下りてます。

もちろんダイビングを忘れたわけではありません。その日の午前中はラウラウで1本。ボートでマニャガハに上陸するまでに2本。計3本入りました。メンバーはカシラを筆頭に、ピロリン(あだ名)、サブ(犬じゃない)、神様(あだ名)、ひょっとこの5名。マニャガハでは女将さんとコガシラが先に行って待っている予定です。 ラウラウを終え昼食をとり、キャンプの準備を整えた我々がボートに乗り込んだのは、午後2時を回っていました。ボートのキャプテンは我々が「いいとも船長」と呼んでいる人。年がら年中ギャグを飛ばしている人ですが、海のことに関してはとても頼りになる人です。

そのキャプテンの操船ではじめに向かったのはバンザイ。しかし強い東風のせいで、ウイングを過ぎたあたりからうねりが大きくなってきました。   左の岸壁に亀の首のような岩が突き出ています。顔のような岩も見えます。亀は「タートルヘッド」、顔は「グリーンアイ」と呼ばれているそうです。なるほど、岩にあいた穴からは向こう側の草木が見えて、まさにグリーンアイ。

途中、キャンプの夕飯のカレーに使うオタマを忘れたとかで、揺れる船の中でカシラが女将さんに電話を入れていました。しかし、そこは良く出来た女将さんのこと、準備はバッチリ整えてあったようです。

ウィングビーチでダイビング
「どんぶらこ、どんぶらこ」といいながらキャプテンは操船してます。バンザイが見えてきたころには、うねりはものすごく大きくなり、とてもダイビングをするような海でないことは誰でも分かりました。しかし、いつものことながら、カシラがキャプテンに「もう少しあっちに行って見よう」などと言っています。風の微妙な向きによっては、スポットライトの近辺だけ波が少ないことがあるんです。でも今回は諦めたようで、ウイングで潜ることになりました。

ウイングをエキジットしたのが午後4時40分。その後沈船で仲良しミノカサゴを冷やかしてからマニャガハに向かったので、荷物を降ろし終わるころには日が傾いていました。

沈船
マニャガハの船着場では、女将さんとコガシラが迎えに来てくれていました。大きな箱車に水や食料、テントなどを載せ、キャンプの設営場所に適当なところまで運びました。

島の営業時間は朝8時から夕方6時まで。僕たちが島に着いたころには、現地の人数人と、セキュリティーしかいませんでした。もちろん、これからの時間、明日の朝まではサイパンとの通い船はありません。南海の孤島に数人の人間を残して日は暮れようとしています。

日が完全に沈む前にテントを設営しなければなりません。テントは3張り。2~3人用の小さなドーム型のもので、慣れない僕たちでもあっという間に出来上がりました。とりあえず、お茶で乾杯!

さて、これから夕食の仕度です。今日のメニューはカレーうどん。遊び中心のキャンプには簡単で美味しいメニューが一番。(といっても今回だけは、女将さんが先に仕込んでおいたんけれどね)早速火をおこし、煮込み始めました。   あたりはすっかり暗くなり、カシラが卓上ランプに火をともすと、島の雰囲気は最高にロマンチック。夜のマニャガハは電気がありません。

東に見えるサイパン本島の町の明かりが、とても綺麗です。

カレーが煮えるまで浜で遊ぼうということになり、マスクとスノーケルとライトを持って船着場に行きました。西の空に浮かぶ三日月は、まるで海の神ポセイドンが我々のこの小さな遊びを、目を細めて見守っているかのようでした。

バチャバチャやっていると女将さんとコガシラが何やら騒いでいます。行ってみると、桟橋のすぐ脇の浅場にアカククリの幼魚がふらふらひらひらと漂っていました。遊びすぎて、さすがにお腹がすいてきました。

カレーが煮えたようです。うどんを入れてカレーうどんの出来上がり。やっとここで、ビールで本格的な乾杯です。

暗いところでは暗いほうが良いと、少しの明かりしか持っていきませんでしたが、ちょっと足りなかったので明かりを作りました。針金でスタンドを作り、カサの代わりに銀紙をのせ、下から水中ライトをあてる。思った以上の照明効果にコガシラも満足の乾杯!(のまね)手作りランプのもとで小さな波音をBGMに、マニャガハの話は尽きぬまま、夜は更けてゆきました。下が砂地で柔らかく、夜中に雨が降り涼しかったので、テントの中は意外と居心地よく過ごせました。

朝食は残ったカレーをパンにつけていただきました。撤収は、設営と同じく迅速でした。遊ぶ時間をいっぱい作るためです。撤収の間も遊びながら。オーシャンクラブの鉄則です。まだ一番の船が来るまでは時間がある。カシラとコガシラはスノーケリングに行ってしまいました。
  さあ、今日は何して遊ぼうか。

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